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Champagne .8

Posted by RUI on   2 

(T)Side-Y


連れて来られたチャンミンの自宅の凄さに声を挙げる間もなく、部屋に入るなりいきなりキスを仕掛けられる。

「っ、ちょ…」

互いに縺れるようにしながら靴を何とか脱ぎ捨て、大理石特有のひんやりとした廊下を抱き抱えられるようにして奥へと進む。
チャンミンの舌が容赦なく口の中を愛撫して、簡単に俺の熱を上げて行く。

「脱いで、ユノ。」

「…おま、がっつきすぎだって…!」

「当たり前でしょ、散々煽られたんですから…誰かさんに。」

「だっ、れが…!っつーか、風呂!」

こんな会話をしながらでもチャンミンの手は止まる事なく、俺のスーツを器用に脱がせネクタイもするりと引き抜いた。
片方でボタンを外されながら、背中のシャツから入り込んだ手は容赦なく背中を這いまわる。

(だから、慣れてんじゃねーか!)

いつの間にかYシャツのボタンを外され、熱っぽい手がするりと俺の胸を撫でた。

「っ。」

思わず顔を上げた瞬間に今度は喉元に唇が寄せられ、きつく吸い上げられる。
そのまま首筋、耳の裏にまで舌を這わせ耳を軽く食まれ思わず身体を震わせると、耳元でくすくすと心地よい声が脳を揺さぶって来る。

「耳、弱いんですか。」

「…知るかっ。」

「いいですね、そういうの。」

「だから、何が…」

「可愛い───」

「ん…っ…」

背中がしなるほど抱きしめられ、また熱い唇が落ちて来る。
甘噛みされながら下唇を吸われるだけで、気持ち良すぎてどうにかなりそうだ。
チャンミンと身体の相性は嘘みたいにいい。
何故だか無性に泣きたくなって来るほど。

(だから、優しくすんなよ)

こんな風にあやされるように甘やかされると、俺の事を好きなんじゃないかと錯覚しそうだ───

感傷的な自分を悟られたくなくて、自分もチャンミンの首根に両腕をかけこの上ないほど互いの身体を密着させた。
触れ合ったチャンミンの身体が思ったより熱くて、自分に興奮してくれてるのだと思うと気持ちが余計に昂って来るから不思議だ。

(契約だけの関係なのに)

そこに”何か”がある訳でもないのに、チャンミンが俺に触れる時はその物言いとは逆に酷く優しく、いつだってこんな風に思わされる。

「お前、ほんと…綺麗だな。」

(綺麗な男───)

自分といる時だけ額にかかる前髪をふわりと掻き上げながら呟くと、伏し目がちだった目がしっかりと俺を捉えた。

「…誰にでも言いますよね、その台詞。」

「は?俺がいつ…」

「ヒチョリヒョンにも言ったでしょ。」

「あ?あぁ、だって、あの人…誰が見ても綺麗だったろ。」

「僕には分かりませんけど。」

チャンミンの長い睫毛に触れると、ふと息を詰めゆるりと口元を上げた。

(だからそういう顔もだって)

いつの間にか連れて来られた寝室。
その真ん中に置かれたキングサイズのベッドにゆっくりと押し倒された。

「なぁ、チャンミン。俺…風呂に入りたいって…」

「焦らさないでください。」

「…焦らしてねぇし。」

こういう時、男同士は面倒くさすぎて気分が萎える。
男女ならばきっと上がった熱のままに、流れる雰囲気のままに身体を重ねる事が出来るはずだ。
最初から準備しておくなら別だが、それはそれで期待していると思われるようで自分としてはしたくない。
だが、こうやって一旦時間を置く時には相手への申し訳なさと、同姓しか愛せない自分を何故か引け目に感じてしまう瞬間でもある。

「ごめん。」

俺からの言葉に見下ろしてくるチャンミンの目が驚いたように大きくなる。

「なぜ、…謝るんです?」

そして、しばらくの間があってチャンミンがようやく口を開いた。

「いや、何となく。」

(俺って面倒くさいな。)

こんなのは面倒くさいと思われたかも知れない。
何かを考えたり、ましてや誰かを気遣ったり…そんな事は必要もない関係なのに。
ましてや、可愛らしい女性な訳でもない。
互いに対して変わらない体型で、決して柔らかくもない───
それなのに、そんな女々しい考えとも言える事を一瞬でも考えてしまった自分に自分で興ざめだ。

「…もっと飲ませて酔わせないといけないようですね。」

チャンミンもそう思っているだろうと、高を括っていた。
それなのにしばらくしてその口から零れて来たのは、予想もしない言葉だった。

「…チャンミン?」

「最初の日は、一緒に風呂に入ったでしょ?覚えてないんですか?アナタが誘ったんです。」

「へ?」

それは記憶になかった───

どれほどあの日は飲んだんだろう。
テミンに振られて本当に辛く、飲んでも飲んでも酔えない気がしていたのは微かに記憶にある。

「あれこれ考えて謝るくらいなら、あの日みたいに誘えばいいのに。」

「あれこれって…」

やっぱり面倒くさい男だと思われたのかも知れない。
こういうところが、自分の見かけと違うと言われてしまう部分なのだろう。
実際、その証拠にそれが原因で別れた事も一度や二度じゃなかった。

(俺って本当に成長してねぇな)

「でも、そう出来ないのが…アナタらしいですけど。」

「はぁ?どういう意味だよ…」

訳が分からず、思い切り顔をしかめると真上から心地いい笑い声が降って来た。

(うわ、可愛い)

「っ、…どうせ…ンっ」

そして、次の言葉はいとも簡単にチャンミンに封じ込められる。

熱い舌は躊躇いもなく入り込んで来て、引きかけていた熱をいとも簡単に上げていく。
そして俺に触れるその指がやっぱりあまりにも優しくて。

(勘違いしそうになるだろ)



「無自覚なのは、…僕の前だけにしてください。」



まるで俺の事を好きなんじゃないかって────





to be continued



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RUI

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2 Comments

says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2019.08.13 12:31 | | # [edit]
RUI says..."Re:"
茶摘みのおばちゃんさま

こんばんは。
いつもありがとうございます。
書いてる方も迷いながらですが、これからもお付き合い頂けると幸いです。RUI
2019.08.14 21:35 | URL | #- [edit]

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